日本臨床細胞学会雑誌
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ダナゾール投与下の腟ホルモン細胞診の検討
和泉 滋田村 昭蔵佐川 順子筒井 章夫栗原 操寿
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1988 年 27 巻 1 号 p. 14-23

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抄録

子宮内膜症患者81名にダナゾール (以下Dと略す) を投与し治療した. D投与による内分泌環境の変化を知る目的で, 患者より採取した膣細胞診像を詳細に検討した. Dは1日400mg投与した予備研究において, D投与下に認められる膣剥離扁平上皮細胞の種類と, その出現頻度を検討した結果, 中層細胞を大型および小型中層細胞に分類し, それらの出現頻度を成熟度指数のなかに組み入れ, われわれ独自の立場より細胞診分類パターンすなわち, 表層型 (表層細胞指数10以上), 中層型1型 (大型中層細胞が30%以上), 中層型II型 (小型中層細胞が71%以上), 毒基底型 (労基底細胞指数10以上) の4型を設定した. それに基づいて検討したところ, D投与下の膣細胞診像では中層型が最も多く, 中層型の1型36%, II型33%で, 表層型15%, 労基底型16%であった. D投与期間別のその推移は, D投与開始後, 早期には表層型, 中層型1型が多く, 投与期間が長くなるに従って中層型II型, 労基底型が多くなった. 特にD投与7ヵ月以後においてその変動は著明であった. 膣細胞診像はDの持続的影響をよく反映しており, D投与下の内分泌的変化と細胞レベルでの変化を知るうえに有用である.

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