日本臨床細胞学会雑誌
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細胞診による子宮頸部扁平上皮癌の組織型診断に関する研究
秋葉 隆三
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1988 年 27 巻 1 号 p. 28-36

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抄録

細胞診による子宮頸部扁平上皮癌組織型診断の可能性を検討する目的で, Ib期76例の術前細胞診標本を分析し, 以下の結論を得た.
悪性細胞の大きさ, 形, 染色性, 核クロマチン, N/C比に注目し, 子宮頸部扁平上皮癌に出現する悪性細胞を大型角化悪性細胞, 小型角化悪性細胞, 小型悪性細胞, 大型悪性細胞の4型に分類すると, 大細胞非角化型では大型悪性細胞が多く, 一部の症例に小型角化悪性細胞の出現はあるものの大型角化悪性細胞の出現はまれであった. 角化型では小型角化悪性細胞の出現に加えて, 大型角化悪性細胞の出現が特徴的であった. 小細胞非角化型では小型悪性細胞が主体であり, 角化悪性細胞の出現はきわめてまれであることが明らかになった. この結果から大型角化悪性細胞, 小型悪性細胞の出現頻度に注目し, 大型角化悪性細胞が10%以上の頻度で出現していれば角化型, 小型悪性細胞が60%以上出現していれば小細胞非角化型とし, その他を大細胞非角化型とする方法を考案した. この方法を用い, II期46例の術前細胞診標本でBlind testを行った結果, 角化型83.8%, 大細胞非角化型91.7%, 小細胞非角化型90.0%の正診率が得られ, 本法の臨床的有用性が示された.

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