日本臨床細胞学会雑誌
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ヘルペス感染細胞における薬剤作用の経時的・形態学的観察
和田 順子木村 祐子重田 幸子小倉 まき子吉田 茂子武田 佳彦
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1988 年 27 巻 1 号 p. 64-70

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抄録

ヘルペス感染症の治療法のなかで, 消毒剤のPovidone40dine, DNA合成阻害による抗ウイルス剤のAcycloguanine, Vidarabineについて, これをヘルペス感染Vero細胞に投与し, slidechamberを用いて, 37℃, 5%CO2培養器において培養した. これを経時的・形態学的に観察し, 検討して次の結論を得た.
1. Povidone-Iodineは強力な殺ウイルス作用のみならず, 細胞毒としての薬理作用を有する.
2. 抗ウイルス剤は, ヘルペス感染細胞のS期におけるDNAの合成を阻害して効果を発揮し, 二次・三次感染を予防する.
3. ヘルペスウイルスの接種があっても, 感染を受けなかったVero細胞は, medium中の薬剤の効果により, 後続感染を受けずに発育・増殖を続ける. この過程を観察し, さらに経過について仮説を立て, その正しいことを形態学的に証明した.
4. 細胞診断学を薬剤の作用機序, 治癒機転の解明に応用し, therapeutic cytopathologyへの新しい展開を行った.

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