日本臨床細胞学会雑誌
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Pelvic fibromatosisの1例
晴山 仁志出店 正隆平畠 功二呉 盧恵川口 勲塩崎 正樹小泉 直美若原 幸枝山口 潤
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1988 年 27 巻 6 号 p. 1001-1006

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抄録

最近, われわれは妊娠中に, 膣壁上部外側に認められた充実性腫瘍を, 産後に摘除し, 骨盤線維腫症と診断した珍しい1例を経験したので報告する.
症例は30歳の主婦で, 腫瘍は, 癒着性で, 恥骨, 膀胱, 尿道, 膣, 直腸の問に2個認め, 約233g (80×95mm) と約429 (50×30mm), 割面は黄白色, 線維状を呈していた. 腫瘍の捺印細胞診では, ライトグリーン淡染性の細胞質を有する紡錘形細胞が散在性に出現し, 一部交錯走行を示す配列を認めた. 核の大小不同はなく, 類円形, 楕円形で細網状のクロマチンと, 1個ないし2個の小さな, 明瞭な核小体を認めた. また, 2核をもつ辺縁不整な多角形細胞や, 裸核も混在していた. 以上から, 線維芽細胞の関連した良性腫瘍が示唆された. 電顕像では, 線維芽細胞と筋線維芽細胞類似の腫瘍細胞がみられた.
骨盤線維腫症は再発率の高い疾患であるが, 本症例は術後7ヵ月を経過した現在, 著変なく外来的に経過観察している.

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