日本臨床細胞学会雑誌
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前立腺乳頭状腺癌の1例
藤 利夫手島 軍児金城 満鷺山 和幸
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1988 年 27 巻 6 号 p. 1029-1033

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抄録

59歳, 男性の尿道周囲前立腺組織に発生した前立腺乳頭状腺癌の1例を経験したので報告する. 主訴は排尿困難であった. 血清前立腺性Acid Phosphatase (PAP), γ-seminoprotein (γ-Sm) などの腫瘍マーカーは正常範囲であった. 自然尿および穿刺吸引細胞診 (FNA) において, 腫瘍細胞は淡明な細胞質と楕円形の核を有し, 不規則重積性で柵状配列を示した・クロマチンは細穎粒状で均等に分布し, 核小体の多くは不明瞭であった. 組織学的所見では, 高円柱状で淡明な細胞質を有する腫瘍細胞が乳頭状に増殖していた. 免疫組織化学では, PAP, 前立腺特異抗原 (PSA) は陰性であった. この前立腺乳頭状腺癌は本邦ではきわめて稀であり, 検索した限りでは5例の詳細な報告がみられるのみであった. 今回, 細胞学的所見に免疫組織化学的所見を加えて報告する.

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