日本臨床細胞学会雑誌
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CISを合併した子宮頸部human papillomavirus感染症の細胞像と追跡調査
千綿 教夫杉下 匡石田 礼載今井 博佐藤 伸子福富 毅渋谷 賢一天神 美夫
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1988 年 27 巻 6 号 p. 860-867

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抄録

CISを合併せる子宮頸部HPV感染症で, コルポ診, 細胞診, 組織診の3者によって全経過を追跡しえた3例について, 経過中の細胞診所見を検討した. 同時に参考としてsevere dysplasiaを合併せる4例を観察した.
1. CIS例: 年齢は42~46歳, 平均44歳, 観察期間は最短4ヵ月, 最長2年2ヵ月, 平均1年4ヵ月, 細胞診でmoderate/severedysplasiaと確認された後, 組織診でCISと診断されるまでの期間は最短4ヵ月, 最長1年8ヵ月, 平均11ヵ月であった.
severedysplasia例: 年齢は36~38歳, 平均37.3歳milddysplasiaよりsevere dysplasiaまでの期間は4ヵ月~2年3ヵ月, 平均1年5ヵ月であった.
2. koilocyteの出現は不定であったが, dyskeratocyteは経過中比較的安定して認められた. 2核, amphophilia, eosinophilic back ground, giant cellなどは経過中一定した所見を示さなかった.
3-HPV感染症単独およびmilddysplasia合併例にしばしば認められる症例毎に経過中特徴的に出現する比較的恒常的な所見は, CIS合併例ではもはや明瞭には認めることはできなかった. 核の異型転換は経過中と異なりきわめて顕著で, 子宮頸部HPV感染症の本質的な病態の変化を細胞診上に予測せしめた.

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