日本臨床細胞学会雑誌
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Olfactory neuroblastomaの1例
捺印細胞像と免疫細胞化学的電顕的観察
藤田 昌宏松井 英夫加藤 志津夫友田 豊坂井 英一
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1988 年 27 巻 6 号 p. 953-958

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抄録

稀な腫瘍であるolfactory neuroblastomaの1切除例について捺印細胞像による形態学的特徴を免疫細胞組織化学所見や電子顕微鏡所見を加味して検討した. 35歳の男性で右鼻腔内にポリープ状に嗅裂側面天蓋部に位置して腫瘤が認められ, 外科的に全摘出された. 捺印細胞像では, 円形核を主体とする小型裸核状細胞が孤立散在性に認められ, 淡いクロマチンをもつ核と部分的に泡沫状ないし線維状の細胞質を示すことから, 小円形細胞腫瘍群に属するものであり, 形態学的に神経原性を推測したが, 細胞の同定は困難であった. 捺印細胞においてPAP法でNSE, S-100蛋白が陽性を示し, 神経原性推定を裏づけたが, 組織切片においてはNSEは禰漫性に, S-100蛋白は腫瘍の辺縁に陽性所見がみられた. 組織像では胞巣状, 島演状に小円形細胞が増生し, 電子顕微鏡所見にて細胞突起や神経分泌穎粒を認め, 01factoryneuroblastomaの像に一致する所見が得られた. 鑑別診断に苦慮したが, 捺印細胞像や免疫細胞組織化学および電子顕微鏡的検索などが早期の確定診断に役立った.

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