日本臨床細胞学会雑誌
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子宮体部の漿液性腺癌の細胞像の検討
山城 竹信手島 英雄八木 裕昭平井 康夫山内 一弘荷見 勝彦増淵 一正佐野 裕作
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1989 年 28 巻 6 号 p. 745-751

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抄録

子宮体部の漿液性腺癌 (Uterine papillary serous carcinoma) 5例について, 内膜細胞診で診断が可能かどうかを検討した. 比較のため子宮内膜腺癌 (Adenocarcinoma) Grade1, Grade3, 明細胞腺癌 (Clearcellcarcinorna) 各々5例についても細胞学的検討を行った.
(1) 漿液性腺癌では, clearな背景にぶどう房状や乳頭状の細胞配列が多く, 腫瘍細胞はNIC比が大きく粗顆粒状のクロマチンも増加し, 核小体は不整で大型化および複数化し, G1と比較して低分化な形態を示す.
(2) 漿液性腺癌では, 細胞形態がG3と類似するので鑑別困難である. しかし漿液性腺癌はtu上mordiathesisが少なく, またpsammomabodyが出現しやすい.
(3) 漿液性腺癌では, 核の形態が明細胞腺癌とほぼ類似している. 明細胞腺癌は, 背景にtumordiathesisが強く, 腫瘍細胞は空胞を伴った広い胞体を持ちシート状に出現しやすい.
以上の結果より, 漿液性腺癌は, G1や明細胞腺癌とはおもに腫瘍細胞の形態に注目することで鑑別が可能であると思われた. G3とは腫瘍細胞の形態が類似しているので鑑別困難である. しかし, 背景において, 漿液性腺癌にtumor diathesisが少なく, psammoma bodyが比較的出現しやすいことを考慮することでG3との鑑別が可能と思われた.

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