日本臨床細胞学会雑誌
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子宮体部明細胞腺癌の細胞像の検討
特に重積性を呈する細胞集塊の細胞像について
八木 裕昭塩川 滋達中山 一武平井 康夫山城 竹信山内 一弘Ikuno FUJIMOTO荷見 勝彦増淵 一正南 敦子平田 守男
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1989 年 28 巻 6 号 p. 752-757

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抄録

子宮内膜吸引スメアに出現した子宮体部の明細胞腺癌6例の細胞像について, 細胞集塊の出現様式によりシート状配列を呈する細胞集塊と重積性配列を呈する細胞集塊とに分類して検討した.
1) 組織学的にsolidpatternである症例の細胞像はシート状配列を呈し, papillary patternである症例の細胞像は重積性配列を呈する傾向が認められた.
2) シート状配列を呈する細胞集塊の細胞所見は, 従来明細胞腺癌の特徴といわれている豊富で明調な細胞質, 類円形の核, 細顆粒状のクロマチン, 複数の著明な核小体が認められた. PAS反応強陽性をしめす細胞を多く認めた.
3) 重積性配列を呈する細胞集塊の細胞はシート状配列を呈するものより, 細胞質径, 核径, 核小体径ともに小さかった. また, 細胞質, 核, 核小体の大小不同はシート状配列を呈するものより少なかった. 核小体は1, 2個のものが多かった.
4) 子宮体部の明細胞腺癌の重積性配列を呈する細胞集塊の細胞像は子宮体部の内膜型腺癌G1の細胞集塊の細胞像と背景, 核クロマチン, 核小体数では類似するが, 核径, 核小体径は大きく, 有意差を認めた (p<0.01).
以上, シート状配列を呈する細胞集塊が多数出現すれば, 明細胞腺癌の診断は容易であるが, 重積性を呈する細胞集塊が優勢な場合は診断がややむずかしい. しかし, 内膜型腺癌G1との違いを把握していれば, 重積性を呈する細胞集塊からも明細胞腺癌の推定診断は可能である.

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