日本臨床細胞学会雑誌
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子宮頸部細胞診からみた子宮体癌およびその関連病変について
丹後 正紘渡辺 騏七郎
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1989 年 28 巻 6 号 p. 781-786

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抄録

子宮体癌およびその前癌病変が通常の子宮頸部細胞診からどの程度診断可能であるか検討した. 子宮体癌76例中71例 (93.4%) が不正出血を訴えて来院し, その腔塗抹では67例 (88.2%) に内膜腺細胞集塊を認め, 44例 (57.9%) が陽性であった. 内膜の上皮内腺癌と異型増殖症を合わせて15例中, その膣塗抹では12例 (80.0%) に内膜腺細胞集塊を認め, 5例 (33.3%) が陽性または疑陽性であった. 腺腫様増殖症23例中, その腔塗抹では15例 (65.2%) に内膜腺細胞集塊を認め, 5例 (21.7%) が陽性または疑陽性と判定された.
膣塗抹においてまず弱拡大で内膜の細胞集塊をみつけたら強拡大で核小体の有無に注目し, 核小体を有したら, 重積性の有無, 極性, 核の腫大, 細胞質の量や性状から, 正常内膜細胞や内膜の修復細胞と鑑別することが可能である.
とにかく閉経後の膣塗抹に内膜細胞がみられたら, 十分注意を払うことによって膣塗抹による体癌の検出率を向上させることができると考えている.

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