日本臨床細胞学会雑誌
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6年間無治療で経過した慢性リンパ性白血病に肺癌を合併した1例
転移巣穿刺吸引細胞診で診断し得た症例
根本 充弘冨塚 幹男浅沼 勝美長山 礼三柏村 真大島 仁士田中 昇
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1989 年 28 巻 6 号 p. 947-952

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抄録

無治療で経過中の慢性リンパ性白血病 (以下CLL) に, 肺癌が合併したきわめてまれな症例を報告する.
症例は56歳, 男性で昭和56年7月, 他院にてCLLと診断され無治療で経過観察されていた. 昭和62年9月, 右鎖骨関節部腫瘤の出現などを主訴として入院.
入院時の末梢血液所見は, 白血球数157,900/mm3, その96%は成熟リンパ球様細胞で占められ, また骨髄検査では同細胞が89.6%を占めていた. Flow cytometoryによる免疫学的リンパ球表面マーカーの検索でB細胞型CLLと診断された. また右鎖骨関節部腫瘤の穿刺吸引細胞診の結果, 腺癌細胞を認めた. さらに生検により転移性腺癌と診断され, その後の検索により原発巣は左肺下葉と確認された. 肺癌に対し化学療法による治療を開始したが, 呼吸困難増強し, 63年1月5日死亡, 病理解剖が行われた.

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