日本臨床細胞学会雑誌
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乳腺乳頭部腺腫の1例
穿刺吸引細胞像について
石原 明徳小山 英之上森 昭木村 多美子
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1990 年 29 巻 3 号 p. 434-438

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抄録

11歳女児の乳房に発生した乳頭部腺腫の穿刺吸引細胞像について報告した.細胞像の特徴を以下に示す.
1) 吸引細胞量が多い.
2) 大部分は結合性の強いシート状配列を示す細胞集塊からなり, 散在性に乳頭状集塊および孤立散在細胞がみられる.また細胞集塊の辺縁に乳頭状突出像が観察される.
3) 核は類円形, 均一であり, 核クロマチンは繊細または微細顆粒状で核小体は目立たない.
4) 筋上皮細胞が認められる.
5) 背景に液状物が観察される.
細胞診では良性の特徴を示すが, 乳頭状突出部や乳頭状集塊はN/C比の大きい小型細胞からなり, 核は濃染性で, 核形不整がみられ, 判定に際し注意が必要である.

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