日本臨床細胞学会雑誌
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子宮内膜明細胞癌の1例
細胞所見, 走査型ならびに透過型電顕所見について
佐藤 賢一郎工藤 隆一水内 英充岡崎 隆哉佐藤 智子橋本 正淑塚本 勝城小森 昭古場 峰明
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1990 年 29 巻 4 号 p. 548-554

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抄録

子宮内膜細胞診, 組織診にて子宮内膜明細胞癌と診断し, 走査型電顕, 透過型電顕観察を行った.
細胞診: 1) 好塩基性で明るく豊富な細胞質. 2) 核の大小不同は軽度で偏在傾向を示し, クロマチンは微細穎粒状. 3) Eosinophilicな核小体を1~2個有する核. 4) 細胞の重積性は軽度で敷石状, 菊座型.5) Hobnail cellの形態を示す細胞の混在, などが特徴であった.
走査型電顕所見: hobnail型の細胞はmicrovilliが短く, 粗で, 隣接細胞との問に間隙が認められ, 腺腔に向って直立していた.類球状の癌細胞の表面は比較的長く, 密なmicrovilliが観察された.
透過電顕所見: hobnail型の細胞では糸粒体を囲む粗面小胞体, 脂肪滴, ライソゾーム, 狭いグリコーゲン野が特徴的な所見であった.

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