日本臨床細胞学会雑誌
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子宮内膜増殖症の細胞像
小畑 孝四郎井上 芳樹渡部 洋高池 哲治老木 正彰野田 起一郎
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1991 年 30 巻 3 号 p. 460-466

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抄録

内膜増殖症について, その内膜吸引細胞診成績, ならびに, 標本上に出現する内膜腺細胞の核所見, さらに, 細胞の重積の状態, 細胞集団の辺縁像を検討し, 以下の結果を得た.
1) 従来のcriteriaによる内膜吸引細胞診で陰性であったものは, 嚢胞性腺増殖症では73.7%, 腺腫性増殖症では61.5%, 異型増殖症では44.1%であった.
2) 核異型は嚢胞性腺増殖症ではなく, 腺腫性増殖症ではないか, あっても軽度である.異型増殖症で核異型が目立つようになるが, 核異型を示す細胞の出現頻度は高分化型腺癌より低い.
3) 不規則重積性は, 内膜増殖症で程度の差はあれ認めることが多く, 病変が高度になるほどその程度は増強した.
4) 腺腫性増殖症では整の棍棒状, 整の乳頭状の突起が, 異型増殖症では, 不整乳頭状, 不整棍棒状の突起が多くみられた.
以上の結果より, 細胞集団の不規則重積性, および, 細胞集団の辺縁像は, 内膜増殖症を診断する上で重要であると思われた.

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