日本臨床細胞学会雑誌
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喀痰中に腫瘍細胞が出現した上咽頭未分化癌の1例
上森 昭石原 明徳木村 多美子小山 英之久保 将彦金 春順
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1991 年 30 巻 3 号 p. 512-516

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抄録

症例は62歳の女性で, 血痰を主訴として来院し, 胸部X線に異常はなかったが喀痰細胞診で異型細胞が認められ, 精査の結果, 上咽頭腫瘍が発見された。生検組織診は, 未分化癌であった.喀痰細胞診では, 1) 腫瘍細胞は小集塊を形成し, リンパ球が混在した.2) 細胞質は類円形-多辺形でライトグリーン好染性であった.3) 核グロマチンの増量はほとんどなく, 好酸性の大型核小体を有する, などの特徴がみられた.
肺病変が認められない患者において, 喀痰中に肺腺癌や扁平上皮癌と異なり, 核クロマチンの増量がなく, 明瞭な核小体を有する未分化上皮細胞がみられた場合, 本腫瘍を疑ってみる必要がある.

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