日本臨床細胞学会雑誌
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Von Reckinghausen病のneurofibromaに併発したmalignant schwannomaの細胞学的検討
加藤 拓高橋 久雄遠藤 富士乗松本 敬山本 浩嗣武田 敏
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1991 年 30 巻 3 号 p. 571-578

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抄録

46歳, 男性でVon Recklinghausen病 (neurofibromatosis) 患者の大腿部に発生したmalignant schwannomaの1例を経験した.多発するneurofibromaの細胞像は,(1) 線維性の細胞質を持ち, クロマチンが淡く紡錘形の核を持つ細胞と,(2) その細胞よりわずかに小さくクロマチンが濃く短紡錘形から類円形核を持つ細胞の2種類が認められた.Malignant schwannomaの細胞像は束状から枝分れ状の配列や, 所により粘液様物質を背景に集合性にみられる部分から散在性へと移行を示す細胞などがみられた.個々の細胞は多彩な形態を示した.組織標本での免疫組織化学的検索においてS-100蛋白はneurofibromaの (2) の細胞に, malignant schwannomaにおいては粗な配列を示す部分の細胞に多く認められた.S-100α はmalignant schwannomaにおいて陽性細胞が増加し, 逆にS-100βは減少する傾向にあった.またMBP, NSEはmalignant schwannomaにおいて強くみられた.電顕的にmalignant schwannomaは多彩な形態を示すSchwann由来細胞と多数のfibroblastおよび少数のperineurial細胞より構成されていた.
これら両腫瘍はSchwann由来細胞, fibroblastおよびperineurial細胞よりなると示唆されたが悪性化にしたがい, これらの細胞形態および性質は大きな変化を示した.

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