日本臨床細胞学会雑誌
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呼吸器症状にて発症した形質細胞白血病の1例
野村 将春藤村 政樹小川 晴彦中村 忍松田 保野々村 昭孝
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1991 年 30 巻 3 号 p. 579-583

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抄録

症例は68歳の男性, 乾性咳嗽, 血痰, 呼吸困難にて来院し末梢血にてモノクローナルな白血球の増多が認められた.胸部レントゲン写真上, 全体的に問質性陰影が増強し, さらに両側中下肺野に実質性陰影が認められた.異常増殖している白血球は形態学的および免疫化学的に形質細胞に属すると確認され, 形質細胞白血病と診断された.胸部異常陰影に対しては経気管支的肺生検が施行され, 白血病細胞の肺胞問質への浸潤と実質への出血像が認められた.血小板は減少していたが, 凝固学的検査には異常なく, 出血は白血病細胞の問質への浸潤が原因と思われた.

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