日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
乳癌の組織形態と分泌物細胞像との関連について
藤井 雅彦石井 保吉佐久間 市朗松永 忠東野口 正之萩原 勁加藤 一夫
著者情報
ジャーナル フリー

30 巻 (1991) 4 号 p. 677-682

詳細
PDFをダウンロード (7049K) 発行機関連絡先
抄録

乳頭分泌物の細胞診で発見された乳癌23例の蓄乳細胞標本を用い, 乳癌の組織形態とくに問質浸潤および面疱型の有無と分泌物中の細胞像との関連性を検討した.
非浸潤性乳管癌と乳頭腺管癌との比較では, 細胞標本中の集塊数, 細胞の重積性に明らかな差はみられなかった. また, 核や核小体所見に関しても両者の問にほとんど差がなく, 非浸潤癌に特徴的な細胞所見を見出すことはできなかった.
面疱型と非面疱型の細胞像の比較では, 面疱型の方が散在性がより強く, 逆に非面疱型で重積性が目立つ傾向にあった. 核長径平均値も非面疱型8.4μ, 面疱型10.3μと後者で有意に高値を示した. また, 核形不整, 核小体も面疱型で目立つ傾向にあり, 細胞所見からの両者の識別は比較的容易であった. 面疱型乳癌は乳管外浸潤傾向ならびに乳管内進展傾向が強いことが知られており, 悪性度を推測する指標として細胞判定に附記する必要性が示唆された.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top