日本臨床細胞学会雑誌
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体腔液細胞診におけるAgNORsの診断的意義
須甲 憲明阿部 庄作小倉 滋明中島 功雄遠藤 隆志竹川 宏典渡部 直巳国兼 浩嗣磯部 宏川上 義和
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1991 年 30 巻 6 号 p. 1002-1006

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抄録

胸水・腹水などの体腔液細胞診で悪性細胞か否かの診断が困難な異型細胞に遭遇することがある.このような細胞の鑑別のため, 疑陽性と判定された異型細胞のSilver-bindingnucleolarorganizer regions (AgNORs) について検討した.同じく疑陽性と判定された異型細胞でも, 悪性体腔液中の異型細胞では核内AgNORs平均個数 (mean±SD) は3.4±0.7であり, 非悪性体腔液中にみられた異型細胞での2.0±0.6に比べて有意に高値であった (P<0.01).特に核内AgNORs平均個数が3以上のときは, その体腔液が悪性である可能性がきわめて高かった.また, 疑陽性と判定された悪性胸水では, 多くが胸水CEA・核内AgNORs平均個数とも高値であるが, 前者が正常, 後者が高値の例もあった.体腔液に疑陽性と判定された異型細胞がみられた場合, 核内AgNORsの計測は体腔液の良性・悪性の鑑別に有用であった.

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