日本臨床細胞学会雑誌
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Polymerase Chain Reaction 法による子宮頸部擦過細胞のHPV DNA診断
太田 さなえ永井 宣隆谷本 博利藤本 英夫大浜 紘三藤原 篤
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1991 年 30 巻 6 号 p. 1063-1067

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抄録

子宮頸部各種病変106例の擦過細胞より得たDNAより, Human Papillomavirus (HPV) 16型および18型DNAのE7領域をPolymerase Chain Reaction (PCR) 法によって増幅し, HPVDNAの検出を試みた.
全体の検出率は16型陽性が41例 (38.7%), 18型陽性が15例 (14.1%), また16, 18型ともに陽性が1例 (1.0%) であった.
細胞診成績との比較においては, クラス1で37.5%(3/8), クラスIIで20.5%(8/39), クラスIIIaで56.3%(9/16), クラスIIIで83.3%(10/12), クラスIIIbで66.6%(4/6), クラスIVで87.5%(14/16), クラスVで全例 (9/9) と, クラス分類の上昇にしたがってHPV検出率の増加をみとめた.また, クラス1, IIの47例中11例 (23.4%) にHPVDNAが検出され, HPV感染症例中に細胞診上異常所見を示さない症例の存在が確認された.
このうち組織学的検索を行った73例においても, 細胞診成績との比較と同様に, 病変の進行につれて検出率の上昇をみとめた.
以上, PCR法によるHPV16型, 18型DNAの検出は, 擦過細胞における検出が十分可能で検出感度に優れ, 短時間での多検体処理ができることから, 今後スクリーニングを含めたHPV感染検索への応用が期待された.

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