日本臨床細胞学会雑誌
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肺硬化性血管腫2例の経皮的肺針生検・吸引細胞像
藤田 結花上井 良夫清水 哲雄坂井 英一野口 雅之小野寺 壮吉
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1991 年 30 巻 6 号 p. 1130-1135

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抄録

いわゆる肺硬化性血管腫の切除例2例について, 術前の経皮的肺針生検・吸引スメアの細胞像を検討したところ, 本腫瘍にみられる細胞を次のようにまとめることができた.
1) 散在性または乳頭状集塊を形成する類円形細胞.2) 類円形細胞よりも小型の核と明るい細胞質を有し, 軽度の重積性をもって配列する細胞.3) 細胞質が広く, 核も大きく核小体のめだつ大型多辺形細胞.4) 小型類円形細胞の乳頭状集塊の芯にみられる紡錘形核の細胞.5) 多数のヘモジデリンを貧食している組織球.6) 炎症性細胞.
このなか, 腺癌一特に末梢型一と鑑別を要する細胞は小型類円形細胞と大型多辺形細胞であり, 前者は腺癌に比べると核異型や細胞異型が一般に軽度であり, かつ, 乳頭状集塊の芯に紡錘形核のみられることが鑑別に役立つ所見であった.後者は個々の細胞所見のみでは腺癌細胞との鑑別はきわめて難しく, 上述のように多種類の細胞の出現することや, 特に多量のヘモジデリンおよびこれを貪食した組織球の多い血性背景が本腫瘍を示唆し, 腺癌細胞との鑑別に有用な所見であった.
なお, 大型多辺形細胞は間葉系由来ともいわれているが, 免疫染色法により小型類円形細胞とともに肺胞上皮起源を強く示唆する所見を得た.

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