日本臨床細胞学会雑誌
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Interdigitating Cell Sarcomaの1例
その細胞学的および細胞化学的所見
下嶋 時子山田 チカ子山川 光徳今井 大荒井 茂
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1991 年 30 巻 6 号 p. 1136-1140

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抄録

Interdigitating cell (IDC) sarcomaの1例を経験したので, その捺印標本による細胞学的および免疫細胞化学的所見について報告する.症例は54歳で, 右頸部リンパ節腫脹を主訴に来院, 外来にて同部腫瘤の生検を受けた.腫瘍割面捺印標本では, 腫瘍細胞は大型で, 平面的な配列をしており, 結合性は弱く, 細胞質は好塩基性で, 辺縁には偽足様あるいは樹状の細胞突起が認められた.核は大きく, 複雑なくびれ, 切れ込み, 分葉が著しかった.壊死物質と少数の小型リンパ球, 形質細胞が背景にみられた.酵素および細胞化学的にAdenosine triphosphatase, S100蛋白, CDla, CD4, CD45, HLA-DR抗原などが陽性であった.皮膚病変はなかった.以上の所見から, 本症例はリンパ節原発のIDC sarcomaと診断された.本腫瘍はまれであるが, 診断時には特徴的な細胞形態と細胞化学的所見が参考になると思われた.

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