日本臨床細胞学会雑誌
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母趾原発明細胞肉腫 (clear cell sarcoma) の1例
石田 剛瀬田 章堀内 啓田中 文彦岡 輝明志賀 淳治坂本 穆彦
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1991 年 30 巻 6 号 p. 1147-1150

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抄録

母趾原発明細胞肉腫 (clear cell sarcoma, CCS) の1例を報告した.症例は27歳, 女性.右母趾底部に圧痛, 小腫瘤が認められ, 2年後に右母趾切断術が施行された.術前の穿刺吸引細胞診では, 腫瘍細胞は比較的均一で, 中ないし大型の紡錘形を呈し, 比較的明るい紡錘形核をもち, クロマチンは細顆粒状, 核縁は比較的薄く, 核小体は中心性に1個小型で明瞭であった.組織学的診断はCCSであった.一部の腫瘍細胞にMasson-Fontana染色陽性のメラニン顆粒が観察された.腫瘍細胞はS100蛋白, vimentin, epithelial membrane antigenに陽性であり, cytokeratinは陰性であった.電顕的に, 腫瘍細胞にメラノゾームが観察された.CCSでは腫瘍細胞核にきわめて明瞭な核小体が観察され, 細胞学的にも特徴的所見と考えられ, 滑膜肉腫をはじめほかの紡錘形細胞肉腫との鑑別に重要な所見と考えられた.

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