日本臨床細胞学会雑誌
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子宮頸部腺扁平上皮癌の4症例
細胞・組織学的およびkeratin抗体を用いた免疫組織化学的検討
永田 順子岡部 一裕岩渕 浩之藤原 潔根岸 能之高山 雅臣
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1991 年 30 巻 6 号 p. 1179-1187

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抄録

最近2年間に経験した腺扁平上皮癌の4症例について, その細胞像, 組織像を検討し, keratinの2種類のモノクローナル抗体, すなわち56 kilodalton (以下KDと略す) および68KDのkeratinを認識する抗体を用いて免疫組織化学的検討を行った.症例1と2においては, 摘出標本にAIS (adenocarcinoma in situ) が認められたが, 術前の細胞診では扁平上皮系の異型細胞がめだち, AISの診断は困難であった.症例3においては術前には腺癌と診断したが, 細胞診標本を見直した結果, 細胞の出現形態や核所見から腺癌細胞とは区別が容易な扁平上皮癌細胞が少数ではあるが認められた.症例4においては細胞診で腺扁平上皮癌を考えたが, 2種類の癌細胞は症例3とは異なり類似していた.免疫組織化学的検討を加えることにより症例3の扁平上皮癌組織は, ほかの3例とは異なる性格であることが判明した。ほかの3例を検討した結果, 腺扁平上皮癌のsquamous componentは, 形態学的には扁平上皮癌に類似していても, 免疫組織化学的には異なる性質であり, AISと, 56 KD keratinが強陽性のCIS (carcinoma in situ) あるいは微小浸潤扁平上皮癌が, 腺扁平上皮癌の初期像であることが示唆された.

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