日本臨床細胞学会雑誌
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卵巣原発癌肉腫の1例
清水 康史尾崎 喜一麻生 武志松原 修
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1991 年 30 巻 6 号 p. 1188-1192

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抄録

卵巣原発carcinosarcoma (stage IIIc) 症例に対し, 免疫組織化学的検討を行ったので報告する.
症例は57歳で, 腹部膨満感を主訴に当科外来を受診し, 手術療法および化学療法 (PEP2クール, CAP3クール) を施行したが残存腫瘍は縮小せず, 術後5ヵ月で死亡に至った.手術時摘出物の病理組織学的所見は, 腹腔内に広範な転移を伴う右卵巣原発のcarcinosarcomaであり, 原発巣では間葉性成分が, 転移巣では上皮性成分が優位であったが, 剖検所見では病巣のほとんどが間葉性成分であった.また術前高値であったCA-125が, 術後は転移巣の程度を反映せず低値であった.手術時摘出材料を用いてCA-125による免疫組織化学的染色を行ったところ, CA-125はcarcinosarcomaの上皮性成分にのみ陽性であった.
以上の結果より, CA-125は本症例の上皮性成分のマーカーとして変動したものと考えられ, 化学療法は本症例の上皮性成分にのみ奏効し, 問葉性成分には効果を示さず, 死亡に至ったものと考えられる.

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