日本臨床細胞学会雑誌
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子宮頸部原発悪性リンパ腫の1例
平園 賢一篠塚 孝男藤井 明和島村 和男覚道 健一長村 義之川井 健司伊藤 仁篠田 玲子赤塚 由子
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1991 年 30 巻 6 号 p. 1199-1203

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抄録

子宮頸部原発の悪性リンパ腫はまれな疾患であり, 潰瘍形成に乏しいため細胞診における検出率は低く, 未分化癌, 肉腫, 濾胞状頸管炎などとの鑑別が重要である.
症例は35歳の主婦.不正性器出血を主訴に来院.子宮膣部擦過細胞診にてcleaved cellを含む幼若リンパ球類似の異型細胞を認めた.コルポ診では明らかな異常所見は認められなかった.組織診では中型のリンパ芽球類似の異型細胞がmonotonousに増生していた免疫組織化学染色ではBcellマーカーであるSL-26が陽性, T-cellマーカーであるUCHL-1は陰性であった.病理診断はLSG分類で, 悪性リンパ腫 (びまん性, 中細胞型, B細胞型) であった.
身体所見, 血液検査および画像診断などにてほかに病巣が検出されなかったことから術前診断は子宮頸部原発の悪性リンパ腫StageI (FIGO分類: IAnn-Arbor分類: IE) となった.
治療は準広汎子宮全摘と所属リンパ節郭清を施行した.病巣は子宮頸部に限局し, その広がりは環状に6分の1, 深さ3mmと小範囲に限局したものであった.術後2年を経過した現在, 再発の兆候はない.

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