日本臨床細胞学会雑誌
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内視鏡的ブラッシ法による食道癌の細胞診
原島 三郎荷見 勝彦平田 守男南 敦子都竹 正文池永 素子古田 則行
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1991 年 30 巻 6 号 p. 973-978

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抄録

1970年より15年間に癌研究会附属病院細胞診断部で, 生検と直視下ブラッシ細胞診併用し, 検索した食道癌282例と食道良性疾患488例について細胞診陽性率を検討した.
食道癌症例の平均年齢は64歳で, 60歳代に頻度が高く, 男女比は6.1: 1であった.食道癌は胸部中部に多く, X線分類ではらせん型, 内視鏡分類では潰瘍浸潤型が多かった.長径としては4.0~6.9cmの範囲の分布が多かった.
食道癌細胞診陽性率は部位的にみると, 胸部上部と中部が頸部と腹部より高かった.X線分類別, 内視鏡分類別, 長径別では有意の差がなかった.
食道癌282例の細胞診成績は, 陽性95.0%, 疑陽性1.4%, 陰性3.5%であった.食道良性疾患488例では, 陽性0.2%, 疑陽性3.5%, 陰性96.3%であった.

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