日本臨床細胞学会雑誌
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乳癌t1症例における定量細胞化学的検討
核DNA量, PCNA/cyclinおよびHER-2/neu蛋白を用いた解析
平野 隆鬼頭 隆尚池田 徳彦内田 修勝海 東一郎梶原 直央原 恵理子加藤 治文海老原 善郎
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1992 年 31 巻 4 号 p. 591-598

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抄録

最大腫瘍径2cm以内の乳癌切除材料を37例 (リンパ節転移陰性例20例, リンパ節転移陽性例17例) を対象に新しい定量顕微鏡システムCAS 200 Image Analysis System (以下, CAS 200System) を用い, 核DNA量の測定・PCNA (proliferating cell nucler antigen)/cyclinおよびHER-2/neu蛋白に対する免疫染色の評価を行った.
核DNA量の測定ではリンパ節転移陽性例にaneuploidを示す症例が有意に多かった (p≦0.05). またaneuploid症例の方が再発までの期間がやや短い傾向を示したが, 有意差は認められなかった.
PCNA/cyclinの解析ではリンパ節転移陽性例の方が陰性例に比べ有意に陽性率が高かった (p≦0.05).
HER-2/neu蛋白の解析ではリンパ節転移陽性例と陰性例との間にはHER-2/neu蛋白過剰発現に関し有意な関係は認められなかった. しかしHER-2/neu蛋白過剰発現症例は再発までの期間が正常例に比べ有意に短かった (p≦0.05).
これらの腫瘍細胞の生物学的特性を示すパラメーターの解析は治療方法の選択, 早期再発の推測に有力な情報を与えるものと考える.

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