日本臨床細胞学会雑誌
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細胞質内封入体に針状構造物を認めたChlamydia感染症の1例
畑 和則川上 一男山道 昇高橋 義弘原田 丈典飯田 和質大森 正弘
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1992 年 31 巻 6 号 p. 1037-1041

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抄録

子宮腔部頸管細胞診にてChlamydia感染細胞を多数認め, その細胞所見およびChlamydia抗原の検索を行った1例を報告した.
Chlamydia感染細胞は労基底型扁平上皮細胞や扁平上皮化生細胞を宿主細胞として, 細胞質内封入体が細胞質全体に広がっているものから小型の細胞質内封入体を2個有するものまで認められた. 細胞質内封入体の内部構造については, 紫青色の微細顆粒を細胞質内封入体内部に充満しNebolarinculusion (NI) の性状を示したもの, 紫青色の凝集塊が粗に分布したものなど多岐にわたっていた. さらに細胞質内封入体の35個のうち16個にEosin好染性の針状構造物を認めた. これらの細胞質内封入体や針状構造物はChlamydia抗体による免疫細胞化学染色で陽性を示した.

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