日本臨床細胞学会雑誌
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乳腺穿刺吸引細胞診におけるCA15-3の免疫細胞化学的検討
森 一磨乙幡 由美子柏崎 好美永山 剛久
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1992 年 31 巻 6 号 p. 913-919

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抄録

乳腺腫瘍関連抗原CA15-3を認識する2つの異なるモノクローナル抗体115D8とDF3を用い, 乳腺良性悪性病変の穿刺吸引細胞標本を対象に免疫細胞化学的に染色し, これらの抗体が認識する抗原の局在部位を観察した.その結果いずれの染色も良性細胞ではapical borderに線状で褐色調の陽性反応を認め, 一方, 悪性細胞はcytoplasmにdiffuseに顆粒状ないし小塊状で褐色調の陽性反応を認めた.これらの反応局在部位はx2検定にて有意 (p<0.01) と判定され, この反応局在の違いから良性・悪性の鑑別は可能と思われた.
Papanicolaou染色で誤陰性, 誤陽性とされた症例に対する本染色の結果は, 誤陰性例は悪性細胞と, 誤陽性例は良性細胞と同様の反応を示し, 本染色の有用性が示唆された.
血清値測定におけるCA15-3は原発乳癌の早期診断には適さないとする報告が多いが, 今回, 免疫細胞化学的に検討を加えた結果では, 早期乳癌においても進行乳癌同様cytoplasmがdiffuseに染まり, 本染色は乳癌早期診断にも有用であると考えた.

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