日本臨床細胞学会雑誌
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子宮頸部腺系悪性細胞の細胞診について
特に腺異形成の細胞出現様式
梅嵜 圭吾中島 徳郎寺西 二郎加納 徳照木戸 美智子大崎 尚椹木 勇
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1992 年 31 巻 6 号 p. 943-949

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抄録

子宮頸部腺癌の前癌病変であると思われる子宮頸部腺異形成に着目した. まず1984年1月より1992年4月までの約7年間で子宮全摘術治療を受けた2016例の術後標本につき子宮頸部腺を中心に再検討した. 子宮頸癌取り扱い規約 (1987) に基づいて, 浸潤腺癌18例, 微小浸潤腺癌4例, 上皮内腺癌9例, 腺異形成27例を診断し得た. ついでこれらの症例での術前スミアを再検討し, これらの頸部腺系細胞の出現様式を比較した.
正常の頸部腺と腺異形成との鑑別には後者でのN/C比の増大と核小体が重要であり, 腺異形成と上皮内腺癌では, 後者でより著明な羽毛状とBall様の細胞出現が役立つと思われた. 上皮内腺癌と微小浸潤腺癌との鑑別には後者で, 粗大顆粒状クロマチンと核間距離不整がより強く, 微小浸潤腺癌と浸潤腺癌とでは前者での柵状配列と羽毛状の出現が鑑別に役立つことが示唆された.
なお, 採取器具とは関係なく検体採取が充分であれば, 子宮頸部腺領域の診断, 鑑別は, 細胞診上可能であると考えられた.

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