日本臨床細胞学会雑誌
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子宮頸部早期Ib期癌の細胞学的検討
Ia期癌との鑑別を中心に
角田 新平上坊 敏子蔵本 博行
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1993 年 32 巻 1 号 p. 14-20

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抄録

子宮頸部扁平上皮癌早期Ib期の細胞所見をIa期の細胞所見と比較検討した.検討対象はIa期13例, 浸潤深度3mm以内のIb期 (Ib1) 6例, 3mm~5mm以内のIb期 (Ib2) 16例で, 綿棒擦過法による標本を再検討した.
1) Ia期に特徴的である所見は, 早期Ib期においても高頻度に認められた.
2) 2倍以上の著明な核大小不同, 短径・長径1/2以下の長円形核の出現は早期Ib期で多い傾向にあった.
3) 分化傾向, 分化型癌細胞は, 早期Ib期特にIb2において高い頻度で出現した.
4) クロマチン分布は, Ib2において粗顆粒状のパターンを示すものの頻度が高かった.
5) 細胞集塊の出現頻度は, Ia期に比し早期Ib期では有意に高く, 集塊の出現数が10個以上の症例はIa期では経験されなかった.長径0.3mm以上のclusterの出現頻度は, 早期Ib期で高い傾向にあった.
6) 腫瘍性背景は, Ib2では62.6%に認めたが, Ia期群では15.4%と有意に少なかった.
以上から早期Ib期の細胞所見の特徴は多数のIa期相当細胞に加え,(1) 著明な核大小不同,(2) 長円形核の出現,(3) 分化傾向,(4) 分化型癌細胞,(5) 長径0.3mm以上の集塊,(6) 10個以上のclusterの出現,(7) 粗顆粒状クロマチンパターン,(8) 腫瘍性背景であると判断された.

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