日本臨床細胞学会雑誌
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上皮性卵巣腫瘍におけるProliferating Cell Nuclear Antigen (PCNA) の免疫組織化学的検討
山中 伸一郎永井 宣隆村上 隆浩松田 博大濱 紘三
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1993 年 32 巻 1 号 p. 21-25

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抄録

当科で手術を行った上皮性卵巣腫瘍116例を対象とし, そのホルマリン固定パラフィン包埋組織切片を用いて, 増殖細胞マーカーとしての有用性が示唆されているproliferating cell nuclear antigen (PCNA) の発現をモノクローナル抗体PC10 (Novocastra社) により免疫組織化学的に検索した.
卵巣腫瘍における平均PCNA標識率は, 悪性群33.0%, 境界悪性群12.5%, 良性群3.4%で各群間に有意差が認められ, 病理組織学的に良性-境界悪性, 境界悪性-悪性の区別が難しい場合の診断の一助になり得ると考えられた.
また悪性群における化学療法前後の平均標識率は35.0%および26.1%でこの間に有意差 (p<0.05) を認め, 化学療法の効果を細胞増殖能の低下として組織学的に判定することが可能と思われた.
PCNA標識率と核分裂数との間には相関係数0.57 (p<0.001) の有意な相関が認められ, PCNA標識率が核分裂数と同様に腫瘍の組織学的悪性度の指標として有用であることが示唆された.

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