日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
耳下腺原発の真の悪性混合腫瘍の1例
擦過細胞像
土居 信義森本 敏子三宅 麻理子河口 幸博原 浩平
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 32 巻 1 号 p. 78-84

詳細
抄録

耳下腺原発の真の悪性混合腫瘍を経験したので報告する.
症例は71歳の男性で, 約30年程前から存在していた右耳下腺腫瘤が, 最近急に増大してきた. 昭和63年9月に摘出術が行われ, 摘出腫瘤 (5×3×3cm) 内に癌腫と肉腫が同時に認められた. 癌腫は腺腔形成のみられる腺癌で, 肉腫は主に軟骨肉腫から成り, 一部に骨肉腫像がみられた. さらに, 良性多形腺腫の残存を思わせる粘液状基質をごく一部に認めた. 腫瘤割面のi擦過細胞像でも, 重積性があり腺癌を思わせる細胞集塊とともに, 異型性の強い細胞が無血管, 粘液状基質中のlacuna内に散見され, 軟骨肉腫細胞と思われた. これらの所見や臨床経過とから, 自験例は多形腺腫から発生した真の悪性混合腫瘍と考えられる.
なお, 本腫瘍の組織発生に多形腺腫内の筋上皮細胞の役割が重要視されているが, 自験例でも電顕的に形質細胞型筋上皮細胞を肉腫部においても認めた.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top