日本臨床細胞学会雑誌
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子宮体部明細胞腺癌に結核症を合併した1例
高橋 睦夫平岡 芙美子伊世 悦子河野 裕夫権藤 俊一石原 得博高杉 信義
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1993 年 32 巻 3 号 p. 447-452

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抄録

子宮体部明細胞腺癌に子宮および付属リンパ節の結核症を合併した症例を経験したので, その細胞および組織所見について報告する.
症例は81歳の女性で, 不正性器出血で来院. 術前の子宮内膜擦過細胞標本では, 出血壊死性の背景に, 淡明な胞体と好酸性で明瞭な核小体を有する腺系の腫瘍細胞が重積性~シート状を呈して認められた. また, 同一標本内に, レース状の淡明な胞体と類円形~紡錘形あるいは腎形の核を有する類上皮細胞およびライトグリーンに淡染し厚みのある胞体の辺縁に核が馬蹄形~花冠状に配列したラングハンス巨細胞も認められた. 組織学的には, 内膜生検標本と摘出された子宮およびリンパ節標本で, 淡明な胞体内に多量のグリコーゲンを有する腫瘍細胞が乳頭状~充実性に増生し, 一部に鋲打ち像hobnail patternもみられた. 結核病巣は, 乾酪壊死巣とその周囲に類上皮細胞およびラングハンス型巨細胞を伴う増殖型であった.

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