深部病変でもガイド下に行われるようになった骨・軟部腫瘍の吸引生検細胞診と一部捺印細胞診について) 代表的な腫瘍における細胞学的特徴について要点を述べた. 出現する腫瘍細胞やマトリックスの特徴から, 1) 類骨マトリックス形成性腫瘍, 2) 軟骨マトリックス形成性腫瘍, 3) 多核巨細胞の出現の目立つ腫瘍, 4) 小円形細胞を主体とする腫瘍, 5) 紡錘形細胞を主体とする腫瘍, 6) 多形性を特徴とする腫瘍) 7) 脱分化型肉腫などを便宜的に分類して細胞学的鑑別診断を試みた.加えて, 補助診断としての免疫組織化学の応用上の問題点についても触れた.
これらの細胞学的特徴の解析と鑑別が基本ではあるが, 組織型の正しい推定に際しては, 臨床情報 (年齢, 部位, 検査成績など) と画像を十分評価してなされるべきことを強調した.