日本臨床細胞学会雑誌
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顆粒膜細胞腫のエストロゲン産生能と臨床および細胞像
本松 茂鈴木 光明大和田 倫孝玉田 太朗藤井 丈士川井 俊郎
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1994 年 33 巻 1 号 p. 14-18

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抄録

われわれが経験した顆粒膜細胞腫10例について, 臨床的および組織・細胞学的検討を行った.全卵巣腫瘍にしめる頻度は1.7%(10/592) で, 年齢は6~76歳 (平均44歳) まで広く分布した.内膜病変の合併が多く, 内膜腺癌2例と異型内膜増殖症1例が認められた.また乳癌, 子宮頸癌, 白血病, 各1例の合併がみられた.末梢血中estradiol値は高値を示すものが多く, 術後は著明な低下がみられた.膣スメアの検討でも高エストロゲン環境が示唆された.成人型顆粒膜細胞腫の捺印細胞所見は, Call事Exnerbodiesを彷彿とさせる細胞集塊と, 核縦溝が認められた.

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