子宮内膜細胞診要精検例および不正子宮出血例に子宮鏡検査および組織検査を行い, 25例の子宮内膜ポリープ (増殖性16例, 萎縮性3例, 機能性6例) を診断した.これらの細胞所見の特徴について検討した.さらに, 子宮内膜増殖症21例, 正常内膜22例の細胞像と比較検討した.
1) 子宮内膜細胞診上, 子宮内膜ポリープの76%は要精検群に入っていた.
2) 増殖性ポリープ, 内膜増殖症および正常内膜の細胞所見に著明な差は認められなかった.
3) 増殖性ポリープは核の大小不同, クロマチン増量および核小体腫大の細胞所見が他のポリープと較べ頻度が高く, 機能性ポリープと比較して, 核の大小不同は有意に多い所見であった.
4) 子宮内膜ポリープの診断には子宮内膜細胞診に加えて子宮鏡検査の併用が有用である.