日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
乳腺乳頭状病変の細胞学的検討
管内性乳頭腫と乳頭腺管癌の比較を中心に
北村 隆司光谷 俊幸清野 重男土屋 眞一
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 33 巻 4 号 p. 635-644

詳細
抄録

乳頭状病変の鑑別点を探る目的で, 組織学的に診断が確定している管内性乳頭腫 (IDP) 12例と乳頭腺管癌 (PTC) 55例 (計67例) の穿刺細胞診を用いて, その特徴を明らかにするとともに, IDPとPTC両者の細胞学的差異について比較検討を行い, 良・悪性の鑑別点を探った. その結果, IDPの出現形態は8型に分類された. このうち多くの症例に共通した出現形態は間質成分随伴状配列であった. さらに上皮増生があるIDPには紡錘形核からなる重積性集団や大型核や核の大小不同がみられる乳頭状配列を認めた. PTCの出現形態は9型分類された. 組織亜分類別にみると乳頭型, 面疱型では細胞異型が強く, その細胞診断は容易であった. 大多数の節状型および乳頭管状型, さらに半数の低乳頭型や乳頭型の一部の症例は細胞異型が乏しく, under-diagnosisされやすい傾向があった. 特に節状型, 乳頭管状型は核異型が軽度であり, 良・悪の鑑別には構造異型を踏まえた細胞診断が必要であった. その構造異型のポイントは節状型では類円形細胞が規則正しく配列し, 腺腔への極性がみられる点であり, 乳頭管状型は筋上皮細胞を伴わない腺管状配列であると考えられた. 乳腺乳頭状病変の細胞診断には組織像を十分に理解し, 構造的な異型を念頭において観察することが重要と思われた.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top