日本臨床細胞学会雑誌
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Alpha-fetoprotein産生性子宮内膜癌の細胞像および病理組織像: 症例報告
石倉 浩櫻木 範明十亀 真志野村 英司大河内 俊洋石黒 達也藤本 征一郎吉木 敬
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1994 年 33 巻 4 号 p. 669-672

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抄録

AFPを産生する子宮内膜癌を経験したので報告する.患者は63歳女性.主訴は不正出血.術前血清AFP値は173,000ng/mlであった. 子宮体部は内向性・び漫性の体部癌により置換され, 右卵管周囲には静脈内腫瘍塞栓が認められた.捺印細胞診ではやや小型ないし中型の異型上皮細胞の小集族が多数みられた. 病理組織学的には腫瘍細胞の大部分はグリコーゲンを豊富に含み髄様増殖を示す低分化腺癌で, 一部に管状構造形成を伴う高分化・中分化腺癌が認められた. 腫瘍細胞はAFPの免疫組織化学染色で強陽性であった. 血清中AFPのレクチン結合性は卵黄嚢腫瘍型であった. 以上から本子宮内膜癌は肝様腺癌の組織像と一致するものの, AFPのレクチン結合性が胃などでみられる典型的な肝様腺癌とは異なり, その発生に興味がもたれた.

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