日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
卵巣莢膜細胞腫におけるエストロゲン活性の細胞診断学的有用性について
五十嵐 達也黒瀬 高明大野 正文塩田 敦子半藤 保
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 34 巻 1 号 p. 27-30

詳細
抄録

1. われわれは開院以来11年間に, 卵巣莢膜細胞腫8例を経験した. それらの症例は, いずれも閉経期ないしそれ以後の症例であった.
2. 術前に卵巣腫瘤を認めたものは5例にしか過ぎず, またそのうち性器出血, 内診時の腟柔軟性などの所見によりエストロゲン活性を疑ったものは3例であった.
3. 8例中内分泌細胞診にてエストロゲン活性を認めたものは4例で, いずれも子宮内膜の増殖性変化 (子宮内膜増殖症3例, 高分化型子宮内膜腺癌1例) を伴っていた. また, この活性は必ずしも腫瘍の大きさとは相関しなかった.
4. 内分泌細胞診上EI/KPI indexは, エストロゲン活性の指標としてもっとも有用であった.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top