日本臨床細胞学会雑誌
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Reactive lymphoid hyperplasiaと考えられたが, H鎖遺伝子再構成により甲状腺悪性リンパ腫が示唆された1例
辻 求堀岡 良康森川 政夫山本 正之山田 克巳門根 謙介
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34 巻 (1995) 6 号 p. 1124-1127

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抄録

甲状腺結節性病変で組織像ではreactive lymphoid hyperplasia (RLH) であったが, Southern blot法でheavy chain (H鎖) 遺伝子再構成を示した1例を経験したので報告した. 患者は58歳の女性で, 軽度の甲状腺腫大を認めた. 血液検査では膠質反応は高値を示したが, 抗甲状腺抗体は陰性であった. 甲状腺超音波検査やCT検査で結節性病変を認め, 67Gaシンチグラムで集積像がみられた. 穿刺吸引細胞診では多数のリンパ球が採取され, 核網のやや薄い小型リンパ球が大半を占めるも, 一部には核網の濃い小型リンパ球や中型や大型のリンパ球も混在していた. 手術材料による病理組織像では, 結節性病変はリンパ濾胞の集簇巣で, 免疫染色ではmonoclonarityが証明されなかった. その他の部分では甲状腺組織の間質に散在性にリンパ球の集簇巣をみ, 一部では濾胞構造を認めた. 以上より, 組織学的にはRLHを合併した慢性甲状腺炎と診断した. しかし, 結節性病変の部分で遺伝子学的に免疫グロブリンH鎖の再構成を検索したところ, Hind III消化DNAにおいてJH遺伝子の再構成がみられたので, 結節性病変の中にB細胞悪性リンパ腫の部分が存在していることを示唆した.

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