日本臨床細胞学会雑誌
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子宮内膜細胞診における洗浄法の検討
特にRPMI1640培養液使用の有用性について
則松 良明梶谷 博則桐野 玲子浜崎 周次沖野 毅津嘉山 朝達
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1996 年 35 巻 2 号 p. 126-131

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抄録

今回われわれは子宮内膜細胞診における細胞回収率の向上を目的に直接塗抹標本 (以下直接塗抹法) 作製後, 採取器具を浮遊培養用培地RPMI1640 (以下培養液) で洗浄し, その沈査を標本にする洗浄法を試みた. その結果,(1) 細胞集塊数では非癌100例において洗浄法でかなりの内膜上皮細胞が採取器具に残存していることが判明した. また高分化型腺癌5例と腺腫性増殖症5例においても, 洗浄法が直接塗抹法より細胞集塊が多い症例が多かった.(2) 経時的な細胞変化の観察 (核クロマチン, 核縁, 核径) で, 培養液, 生理食塩水 (以下生食) およびビメックス液 (以下ビ液) おのおの15例検討した. 生食では採取後30分で核の変性, 膨化がみられ, 経時とともに著しかった.培養液では核所見の変性が採取後3時間より若干みられたが, 核径の変化はほとんどなく保存性は良好であった, ビメックス液は5時間経過しても変性, 膨化はみられなかったが, 赤血球が多い場合溶血残渣の細胞被蓋で鏡検しづらい欠点があった. 以上より浮遊培養用培地RPMI1640は洗浄液として有用であり, 洗浄法を行うことで多くの細胞を回収でき, さらに直接塗抹法と合わせて鏡検することにより正確な診断をするための一助になるものと考えた.

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