日本臨床細胞学会雑誌
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限局性肝疾患に対する穿刺吸引細胞診の検討
清山 和昭重平 正文栗林 忠信古賀 和美綾部 睦夫駒田 直人
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1996 年 35 巻 2 号 p. 71-76

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抄録

1990年~1995年までに限局性肝疾患に対しエコーガイド下に肝穿刺吸引細胞診を施行した81症例について検討を行った. 対象は病理診断の確定した肝細胞癌48例, 胆管細胞癌4例, 転移性肝癌11例, 肝細胞腺腫1例, その他の良性病変17例である. 穿刺吸引細胞診において, 肝細胞癌48例中44例が陽性, 4例が疑陽性であった. 陽性44例中43例は肝細胞癌と診断が可能で, 1例は肝細胞癌と確定できなかった.
疑陽性と判定した4例は細胞異型が弱く悪性にできなかったもの3例, 残り1例は細胞異型は認めたものの細胞量不十分であることから疑陽性と判定した. 胆管細胞癌4例ではすべて細胞診陽性で, 3例を腺癌と診断したが, 1例は確定できなかった. 転移性肝癌11例では腺癌9例, カルチノイド2例が診断できた. その内訳は大腸癌9例 (腺癌7例, カルチノイド2例), および膵癌1例, 胃癌1例. 肝細胞腺腫1例は細胞異型を認めず陰性と判定した. その他良性病変は17例中5例を疑陽性と判定した. これらはいずれも大小不同, 核小体を過大評価にしたことが原因であった. 肝細胞癌, 特に高分化型肝細胞癌の細胞像について, N/C比の増大, クロマチン分布の不均一性, しかも単一細胞出現が重要と思われた.

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