日本臨床細胞学会雑誌
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膀胱腫瘍における細胞診
自然尿と膀胱洗浄液の比較検討を中心に
小谷 広子郡谷 裕子三原 勝利西田 雅美奥村 博百瀬 均山田 薫丸山 博司松田 実
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1996 年 35 巻 2 号 p. 81-87

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抄録

自然尿および膀胱洗浄液 (以下洗浄液) 細胞診がともに施行された膀胱の移行上皮癌患者66名のべ81例を対象として, その細胞診成績および細胞所見を比較検討した. 自然尿の陽性例は33例 (40.7%), 洗浄液の陽性例は59例 (72.8%) で, 洗浄液細胞診の方が有意に陽性率が高かった. 洗浄液において, Grade1の膀胱癌8例 (66.7%) およびGrade2の膀胱癌35例 (66.0%), 乳頭状腫瘍の48例 (70.6%) および非乳頭状腫瘍の11例 (84。6%), 浸潤癌の51例 (72.9%) および非浸潤癌の8例 (72.7%), 再発例の29例 (80.6%) がおのおの陽性であった. 他方, 自然尿においてはGrade1の膀胱癌2例 (16.7%) およびGrade2の膀胱癌16例 (30.2%), 乳頭状腫瘍の27例 (39.7%) および非乳頭状腫瘍の6例 (46.1%), 浸潤癌の30例 (42.8%) および非浸潤癌の3例 (27.3%), そして再発例の12例 (33.3%) がおのおの陽性であった. 発育様式をGrade別に分け, 自然尿および洗浄液細胞診の成績を比較すると, 乳頭状浸潤型膀胱癌Grade2において両者の陽性率に有意差が認められた. 細胞所見については, 洗浄液では多数のよく保存された細胞が出現し, また自然尿にみられる細胞より大きく, 核縁は薄く核内構造も明瞭に観察できた.

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