日本臨床細胞学会雑誌
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胸水中に出現する悪性中皮腫細胞と肺腺癌細胞の鑑別
画像解析装置を用いて
佐久間 暢夫亀井 敏昭渋田 秀美岡村 宏権藤 俊一石原 得博
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1996 年 35 巻 2 号 p. 93-98

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抄録

悪性中皮腫は体腔膜に原発するまれな悪性腫瘍であり, 腺癌との鑑別が問題となる. 体腔液細胞診における悪性中皮腫細胞の特徴を客観的に表現するために, 胸水中に出現した悪性胸膜中皮腫細胞 (上皮型7例, 174個, および二相型3例, 84個) および肺低分化腺癌細胞 (10例, 271個) をPapanicolaou染色し, 画像解析装置を用いて計測し三群を比較した.
形態計測の結果, 上皮型と二相型の問に有意な差は認めなかった. 核面積は, 腺癌細胞に比し中皮腫細胞が有意に小さく, 面積にはばらつきが少なかった. 核凹凸度により, 核の形状は, 腺癌細胞に比し中皮腫細胞が有意に正円に近かった. 細胞面積は, 腺癌細胞に比し中皮腫細胞が有意に小さかった. 核/細胞面積比には有意な差は認められなかった. 一腫瘍細胞あたりの核数は有意差はないものの中皮腫細胞の方が多い傾向があった.
以上より, 胸水中に出現する悪性中皮腫細胞は上皮型と二相型で基本的な形態に差はなく, 腺癌細胞と比較して悪性中皮腫細胞の特徴は,(1) 類円形ないし正円形核である,(2) 核が小さい,(3) 核大小不同性に乏しい,(4) 細胞が小さい,(5) 多核細胞が比較的多いことを定量的に示すことができた.

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