日本臨床細胞学会雑誌
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甲状腺疾患におけるurokinase-type plasminogen activatorおよび同receptorの免疫学的検討
丸田 淳子野口 志郎山下 裕人
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1996 年 35 巻 6 号 p. 513-516

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抄録

甲状腺疾患とu-PA, u-PARの発現性との関係を検討するため, 組織標本と捺印標本を用いて免疫染色を施行した.乳頭癌31例および濾胞癌3例のu-PA染色結果は, 組織標本では全例陽性で, 捺印標本ではおのおの22例 (71%) と2例 (67%) が陽性であった.組織標本, 捺印標本ともに濾胞腺腫21例および腺腫様甲状腺腫24例に比して有意に高い陽性率を認めた (p<0.001).組織標本のu-PA染色陽性例における陽性細胞の割合の平均 (mean±s. e.) は92.4±0.9%(Range;80.1~100%) であった.陽性細胞の割合が高い症例ほど腫瘍の多発傾向がみられた.また, u-PAR染色では悪性腫瘍の全例が陽性であり, u-PA, u-PARの染色結果は全症例79例中73例が一致した (Kappa index=0.85). 組織標本でのu-PA染色陽性細胞の割合が高い症例ほど捺印標本を用いた場合に陽性となる傾向があり, 組織標本の染色結果を基準とすると捺印標本の感度は70%, 特異度は92%であった.u-PA, u-PARは甲状腺分化癌で高発現し, 組織標本での解析結果は細胞診材料に応用できる可能性があると考えられた.

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