日本臨床細胞学会雑誌
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In situ hybridization法による尿中BKウイルス, JCウイルス感染細胞の検出とその経過観察
上田 順子岩田 隆子岡野 こずえ山下 勝村上 喜信
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1996 年 35 巻 6 号 p. 524-530

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抄録

ISHにより尿中のヒトポリオーマウイルス感染細胞 (HPoV) を検出し, HPoV感染の経過観察を行った.また, 免疫染色により他のウイルス感染細胞の有無についても検索した.
1) パパニコロー (Pap.) 染色でHPoV感染を疑った19例のうち14例がHPoV-ISH陽性で, その基礎疾患は臓器移植, 造血器腫瘍, 糖尿病, 膠原病などであった.
2) HPoV-ISH陽性のうちBKウイルス (BKV) とJCウイルス (JCV) の重複感染が11例を占め, 単独感染はJCV陽性2例, BKV陽性1例のみであった.
3) HPoV感染細胞は4ヵ月間持続して認められたが, 白血病治療のため骨髄移植が行われた患者では, 経過を反映して感染細胞が増減する傾向が認められた.
4) HPoV陽性症例尿の中に, サイトメガロウイルスやアデノウイルス陽性の細胞を認めるものが4例あった.また, HPoV感染を疑いながらHPoVは陰性で, 他のウイルスが陽性の細胞もみられたので, HPoV感染同定のためにはISH法が有用である.

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