日本臨床細胞学会雑誌
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G-CSF産生多形細胞型腎細胞癌の1例
高橋 久雄安藤 智子加藤 拓上原 敏敬佐藤 信夫武田 敏
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35 巻 (1996) 6 号 p. 576-581

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抄録

症例は34歳, 男性でG-CSF (Granulocyte Colony-Stimurating Factor) 産生を伴うきわめてまれな多形細胞型腎細胞癌を経験した. 主訴は右側腹部痛, 血尿. 本症例の穿刺吸引細胞像は結合性に乏しく, 高度の大小不同や著しい多形性を示した. しかしながら, 腫瘍細胞は核偏在傾向に加えてわずかに結合性を示し上皮性を示唆する所見であった. 血清中G-CSF測定で293pg/mlと高値を示し, 捺印細胞標本および組織標本を用いた免疫染色で陽性局在を確認できた. G-CSF高値を示した本症例の特徴所見としては腫瘍組織内への顆粒球の浸潤や腫瘍細胞の胞体内への穎粒球の取り組み像を認めた.この腫瘍内への顆粒球の出現は, G-CSF産生腫瘍の診断の手がかりとして重要と思われる.

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