日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
子宮頸部すりガラス細胞癌の1例
清水 健青木 淳一西野 るり子是松 元子平野 剛江原 輝彦
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 35 巻 6 号 p. 595-599

詳細
抄録

術前細胞診断において組織型推定に苦慮した子宮頸部すりガラス細胞癌を報告した.
症例は35歳女性. 血性帯下を主訴として来院し, サイトブラシスメアで陽性と判定され子宮頸癌Ib期として手術された. 術前細胞標本では, 著しい炎症性背景中に一部で軽度の重積を示す平面的な集塊や, 孤立散在性に出現する多数の腫瘍細胞が得られた. 腫瘍細胞は, 穎粒状でライト緑に淡染する大型の細胞質と, 中心性に位置し異型性の目立つ大型類円形の核を有していた. 核クロマチンは細穎粒状から穎粒状で不規則に分布し, 1~2個の大型の核小体もみられた. 純粋な腺癌あるいは扁平上皮癌を示唆する所見に乏しく, すりガラス細胞癌を含めた低分化腺扁平上皮癌が疑われた. 手術材料の病理学的検索にて, 子宮頸部に限局したすりガラス細胞癌が確認された. 細胞診断学的には, 集塊の性状, 細胞質, 核クロマチンの所見などから非角化型扁平上皮癌, 低分化頸部腺癌との鑑別は可能と考えられた.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top